この記事は運営者が試合を見ながら書いた観戦メモをもとにした、個人の観戦記です。日本代表を応援する立場で書いており、中立の報道記事とは筆致が異なります。スコアとプレーは観戦メモと公式記録の範囲で書いています。
結果: 75-57。4Qだけで27-3
日本生命カップ2026佐賀大会の第2戦、バスケ男子日本代表はモンゴル代表に75-57で勝った。前日の65-67を返して1勝1敗。 ただ、この試合を「18点差の快勝」と書いたら嘘になる。3Qが終わった時点で日本は48-54とリードされていた。ひっくり返したのは最後の10分だ。4Qのスコアは27-3。1クォーターで相手を3点に抑える試合を、自分は初めて見た。
1Q: ハーパージュニアがベンチから流れを作る
スターターは小川敦也、山﨑一渉、川島悠翔、アレックス・カーク、高島紳司。モンゴルはバトエルデン、デルゲルチョローン、ヒシグバータル、ソロンゴ、そして昨日33点のシャラブジャムツ・エンヒウード。 川島悠翔のコーナースリーで始まった。昨日チーム全体で3ポイント4/31という数字を突きつけられた翌日、最初のシュートがそれというのが良かった。しかしすぐにシャラブジャムツがアウトサイドから返してくる。ソロンゴの強烈なブロックも飛び出して、序盤からお互いバチバチだった。 空気を変えたのはジャン・ローレンス・ハーパージュニアだ。コートインしていきなりスリー、続けざまにもう1本。さらにリバウンドからの速攻でファウルを獲得するハッスルプレー。昨日ラストポゼッションのターンオーバーで負けを背負った選手が、翌日の出だしでこれをやる。 それでもシャラブジャムツはやはり強敵で、リバウンドも強く、スティールから走る。止めにいった山内ジャヘル琉人が後ろからになってしまい痛恨のアンスポーツマンライクファウル。14-14の同点に追いつかれ、そこからリバウンドで押し込まれ、ラストプレーでディープスリーを決められた。14-19。
2Q: 一時逆転、しかしヒシグバータルの3連続スリー
川島悠翔が1Qに続いてスタートでスリーを決め、ロールからのレイアップ。小川敦也のスティールから速攻ダンク。畳み掛けるハーパージュニアの攻めるディフェンス。25-22とリードを奪い、流れは完全にこちらに来た。 その流れを許さないのがシャラブジャムツで、嫌なところでしっかり決めてくる。高島紳司が身体を張ったディフェンスで意地を見せる。シェーファー アヴィ幸樹のファストブレイクはソロンゴの超絶ブロックに阻まれた。惜しい。日本の流れになりかけるところに、必ずゴール下の強敵がいる。 その後はハーパージュニアと川島悠翔のダブルチームでボールを奪い取るなど、ディフェンスの強度を上げた。ただシャラブジャムツにディフェンスを集めた結果、パスアウトからのスリーを許す。そしてこの日厄介だったのがヒシグバータル・オーギルの柔らかいスリーだ。3連続で決められて苦しい展開になった。山﨑一渉のコーナースリーで食らいついて32-33の接戦。この時点でリバウンドへの意識が課題として残っていた。 モンゴルのラストポゼッションでシャラブジャムツにきれいにスリーを決められる。厳しいディフェンスの中でもこの精度は驚異的だ。日本のラストプレーは黒川虎徹のスリーだったが惜しくも外れ、32-36で折り返した。
3Q: 最大12点差から、高島紳司のスリーで踏みとどまる
出だしでまたシャラブジャムツにやられた。高島紳司のディフェンスを振り切っての豪快なダンク、その後のスティールから速攻を2連続。32-42と一気に10点差になり、日本はタイムアウト。 山﨑一渉が個人技のミドルで反撃するも、ヒシグバータルが4本目のスリーでやり返してくる。モンゴルにリバウンドを支配されている感覚があり、さらにシャラブジャムツに意識を取られすぎて他の選手のスリーをカバーしきれない。36-48まで開いた。 それでも腐らずディフェンスで追い上げた。ここで効いたのが高島紳司だ。守って走って、値千金のスリーを決める。続く2本目はこぼれたが、ハーパージュニアが走り込んでリバウンドを拾うハッスルプレー。勢いを戻した高島がまたもスリーを沈めて48-53と5点差。リバウンドへの意識も明らかに高くなった。 3Q終盤にもハーパージュニアが鬼ディフェンスを見せて8秒バイオレーションを奪う。ラストプレーは津屋一球のスリーで仕掛けたが外れて終了。48-54、6点差を追いかけて最終クォーターへ。
4Q: 27-3。ディフェンスでねじ伏せた10分間
シェーファー アヴィ幸樹の手堅いゴール下でスタート。黒川虎徹のフローターで2点差に詰め寄る。そこからハーパージュニアとシェーファーのピック&ロールで得点、続けざまにティップイン。シェーファーが大爆発の6点で56-54と逆転した。 ここからが凄かった。要所要所でハーパージュニアがモンゴルの厳しいファウルに負けずハッスルする。ディフェンスが生きるとモンゴルに焦りが見えて、シュートもパスも精度を落として得点が停滞した。日本はスリーを気持ちよく決めて、さらにディフェンスの強度を上げていく。めちゃめちゃいい流れだった。 蓋を開けたら、このクォーターのモンゴルの得点は3点だけだった。あっという間にスルスルと決まっていきぶっちゃけ記憶が無いくらい押せ押せムードだった。
今日のヒーロー: ジャン・ローレンス・ハーパージュニア
何よりもジャン・ローレンス・ハーパージュニアの活躍が目立った試合だった。11得点(3P 3/4)、7リバウンド、6アシスト、2スティール(JBA公式ボックススコア)。 ただ、この選手の価値は数字に出ていない部分にある。ディフェンス面では、どこにボールを投げてもハーパージュニアが近くにいてプレッシャーをかける。無限の体力と瞬発力は凄まじかった。守るだけでなくシェーファーとのコンビネーションで得点を量産し、さらにスリーも決める。千両役者という言葉がぴったりくる。 彼の気迫に触発されて他の選手も活躍を見せた。4Qはディフェンスでねじ伏せたと思わせるほどの気迫だった。昨日の最後のターンオーバーを、たった1日でこう返してくるのか。
光った選手たち
- アレックス・カーク 14得点: フリースロー8/8。相変わらずの大黒柱で、ゴール下の計算が立つ
- シェーファー アヴィ幸樹 12得点・7リバウンド: 2P 6/9。4Q頭の連続得点で逆転の口火を切った。ここで爆発してくれたのが大きい
- 川島悠翔 9得点: 3P 2/4。1Q・2Qとも立ち上がりのスリーで流れを作った
- 山﨑一渉 8得点: 苦しい時間帯の個人技ミドルとコーナースリー。昨日3P 0/5だった悔しさを見せた
- 高島紳司 6得点: 3P 2/5。3Qの2本は流れを引き戻す値千金の一撃だった。前日「ほぼ半分の得点を許してしまった」と語っていた男のリベンジ。ディフェンス面では身体をはり、相手エースのシャラブジャムツを昨日の半分くらいに抑えたという結果。
- 小川敦也 6得点・7アシスト・3スティール: 得点以上にゲームを動かした。2Qのスティールからの速攻ダンクは会場が沸いた
チーム全体の3ポイントは10/33。前日の4/31から明確に良くなった。
課題: 勢いが付くまでに時間がかかる
4Qだけ見れば完璧だが、そこに至るまで3クォーター必要だったのも事実だ。1Qから3Qまではリバウンドで押し込まれ、シャラブジャムツに意識を取られて他の選手のスリーをカバーしきれない時間が続いた。 若い選手らしく、気持ちの入り方しだいでプレーのコンディションが変わってくると感じた。勢いが付けば強い。ただ、そこまでに時間がかかる。前日の第1戦はその時間が足りずに終わり、この日は間に合った。その差だったと思う。
モンゴルについて
シャラブジャムツ・エンヒウードは18得点・10リバウンド・9アシスト。トリプルダブルまであと1アシストだった。昨日の33点から15点減らせたのは日本のディフェンスの成果だが、2ポイント5/14に抑えてなお、これだけの数字を残す万能ぶりは驚異的だ。 もう一人、ヒシグバータル・オーギル(福井ブローウィンズ)の3P 4/6も効いた。シャラブジャムツに寄ればこの人が決める。柔らかいシュートで、Bリーグでも見られる選手だと思うと来季が楽しみになる。ソロンゴ・ガンエルデンのブロック4本も強烈だった。 2試合を通じて、モンゴルはFIBAランキング108位という数字で測れるチームではなかった。
次戦
次は8月15日の韓国代表戦。この2連戦で得た「4Qにできたこと」を、最初からやれるチームになっていけるか。この経験と自信を持って突き進んでほしい。 スコア・スタッツの出典: JBA 日本生命カップ2026(佐賀大会) 公式ボックススコア
4Qの「27-3」はどれくらい珍しいですか?
国際試合の1クォーターで相手を3点に抑えるのは極めてまれです。この日のモンゴルは1Qから3Qまで毎クォーター17点以上を取っていたチームで、それが4Qだけ3点。点差そのものより、この落差にディフェンスの強度が表れています。
2連戦の結果はどうなりましたか?
1勝1敗です。8月9日の第1戦は65-67で敗れ、10日の第2戦は75-57で勝ちました。
次の代表戦はいつですか?
8月15日に韓国代表との国際強化試合が予定されています。この試合では八村塁と河村勇輝の代表復帰が期待されます。
あなたはどう見ますか? コメント欄であなたの声を聞かせてください。









