この記事は運営者が当時、試合を見ながら書いた観戦メモをもとにした個人の観戦記です。日本代表を応援する立場で書いており、中立の報道記事とは筆致が異なります。スコアとプレーは当時の観戦メモと公式記録の範囲で書いています。
ガンバロウズの観戦記が続いていましたが、この日は徳島出身の西田優大が日の丸を着る日。2026年2月3日に就任したばかりの桶谷大ヘッドコーチの初陣でもあります。相手は元NBAの周琦を擁する中国。「体制が整っていない中でどこまでやれるのか」という不安と期待が半々のまま、沖縄サントリーアリーナのティップオフを待ちました。
試合情報
| 日付 | 2026年2月26日(木) 19:05 |
|---|---|
| 大会 | FIBAバスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選 Window2 |
| 会場 | 沖縄サントリーアリーナ(沖縄県沖縄市) |
| 結果 | 日本 80-87 中国 |
| クォータースコア | 21-11 / 26-22 / 9-25 / 24-29 |
| 日本のスターター | 齋藤拓実、西田優大、馬場雄大、渡邊雄太、アレックス・カーク |
結論: 80-87。負けたのに誇らしいという初めての感情
前半は47-33、最大15点リード。それが3Qのわずか9得点でひっくり返り、最後は7点差で届きませんでした。数字だけ見れば桶谷ジャパンの初陣は黒星です。それでも、ドライブでスペースをこじ開けてファールをもらいにいく泥臭いバスケ、3Pに逃げず2点で勝負し続けた終盤、そして残り17秒まで諦めなかった姿勢。やりたいバスケの輪郭は、はっきり見えました。今日のMVPは富永啓生。シューターという枠を完全に壊した夜でした。

1Q: 渡邊雄太のバックカットダンクで幕開け(21-11)
スターターは齋藤拓実、西田優大、馬場雄大、渡邊雄太、アレックス・カーク。笛が鳴ってすぐ、渡邊雄太がバックカットからダンク!続けざまに3Pも沈めて、これ以上ない立ち上がりです。日本のディフェンスは中国のワンマン速攻にもよく効いていて、開始5分で中国のファールは5つ。ドライブでゴリゴリ当たってファールを誘う、フィジカル勝負のバスケを最初から見せてきました。21-11の10点リードで1Qを終えます。
このQの注目選手
- 渡邊雄太: 開始直後のバックカットダンクと、続けての3P。「本気で勝ちに来ている」と告げる一撃
2Q: 徳島のスーパースター西田優大、ここにあり(47-33)
2Qに入って、日本のビッグマン2人にファールが2つずつつく黄色信号。中国に流れが行きかけたところで日本がタイムアウト。ベンチの音声からは気合の入った指示が聞こえてくるのですが、通訳の方まで気合が入りすぎて何を言っているのか分からない。でも熱は伝わりました。ここで流れを引き戻したのが徳島県海陽町出身の西田優大です。3Pシューターとしての仕事はもちろん、ドライブアタックで身体をぶつけてファールをもらえるフィジカル。徳島のスーパースター、ここにあり!
残り4分20秒の時点で日本のビッグマン3人が全員2ファール。この先が怖い状況で、渡邊雄太のターンフェイクからのミドルがうますぎて感動を覚えました。39-26から残り2分29秒、馬場雄大がパスカットからワンマン速攻ダンク!中国の趙睿(ジャオ・ルイ)のフリースローの精度は高く、対する日本はフリースローが入らない。それ以上に西田のドライブが光り、渡邉飛勇もリバウンドに積極的に絡んでシュートまで持ち込みファールをもらう。47-33の14点リードで前半終了。3P主体からスペースを作ってドライブで斬る形へ。桶谷バスケは面白いというより、安定感がありました。
このQの注目選手
- 西田優大: フィジカルを活かしたドライブアタックでファールを奪い、流れをこじ開けた
- 馬場雄大: パスカットからのワンマン速攻ダンク
3Q: 5分間無得点、0-13のランで逆転される(56-58)
後半に入った瞬間、空気が変わりました。残り7分15秒、中国の胡金秋(フー・ジンチウ)がゴール下を支配しはじめます。そして日本は5分経っても得点が入らない。カークも3つ目のファールを取られてピンチが重なり、ここで流れを変えるプレーが欲しい。その祈りに応えたのは渡邉飛勇の初得点でしたが、直後に3Pを返されて49-49の同点。中国は3Pが当たりだしていて、どうにか止めてほしい時間帯が続きました。
富永啓生が投入されて変わるか。残り2分31秒、富永がタフな3Pを決めて反撃の流れに切り替わりそうな場面で、即座に3Pを決め返されて4点を追う展開。飛勇が着地で足首を痛めるアクシデントも重なります。それでも直後に富永がドライブインからステップで得点。シューターが泥臭く身体を当てて取った2点でディフェンスにも力が入り、4Qにつながるプレーで締めました。このQは9-25、公式記録では0-13のランを許しています。56-58で最終Qへ。
このQの注目選手
- 富永啓生: タフな3Pと、飛勇負傷の直後に決めたドライブイン&ステップ
- 渡邉飛勇: 5分間の沈黙を破る初得点。直後に足首を痛めた
4Q: 富樫の同点3P、残り17秒まで食らいつく(80-87)
富永が起点になって中国のディフェンスを揺さぶり、富樫勇樹のミドルで同点。富永はジャッジへのアピールとハッスルディフェンスで、中国のキーマン趙睿をファウルアウトに追い込みました。3Pの打ち合いのシーソーゲーム。残り5分41秒、富樫が3Pを決めて68-68!ここからの桶谷ジャパンは安易に3Pを狙わず、最後まで2点で勝負し続けます。富永も身体を当ててファールをもらいカウントショット。中国側にテクニカルファウルが続き、肘が当たってアンスポーツマンライクファウルも取られて、残り17秒に3本のフリースローと日本ボール。まだまだ分かりません。
しかし、届きませんでした。最終スコア80-87。惜敗という言葉がそのまま当てはまる7点差です。それでも、最後の最後まで諦めない姿勢で食らいついた4Qは、桶谷ジャパンが目指す旗印がはっきり見えた10分間でした。
【試合終了】
— バスケットボール日本代表 (@JAPAN_JBA) 2026年2月26日
日本 80-87 中国
📊BOXスコアはこちらhttps://t.co/0QtBFpgzvh
🏆FIBAバスケットボールワールドカップ2027 アジア地区予選 Window2
次戦は3月1日(日)14:00 vs韓国#AkatsukiJapan#FIBAWC x #StepItUpJapan pic.twitter.com/Eqemempdhn
このQの注目選手
- 富永啓生: 身体を張ったカウントショットと、趙睿をファウルアウトに追い込むハッスル
- 富樫勇樹: 同点ミドルと、残り5分41秒の同点3P
今日のヒーロー: 富永啓生
この日の富永啓生はシューターではなく、チームのファイターでした。3Qのタフな3P、飛勇負傷直後のドライブイン、4Qは起点として攻め続け、ディフェンスでは相手のキーマンをファウルアウトに追い込む。公式記録の14得点は西田と並ぶチーム最多です。「和製カリー」という呼び方では足りない、スリーポイントだけじゃないという存在感を見せた夜でした。
数字ひとつ: 3Qの9-25
前半47-33でリードしていた試合を落とした理由は、3Qの9得点に尽きます。5分間無得点、0-13のラン。中国の胡金秋にゴール下を支配され、カークのファールもかさんで、ビッグマンのファールトラブルが後手に回りました。もうひとつはフリースロー。趙睿がきっちり決めるのに対して、日本は決めきれない場面が目立ちました。あと数本入っていたら結果は違ったはずで、ガンバロウズの試合を見ているファンとしては、なおさら思うところがあります。
この試合のメンバーの、いま
この初陣から3日後の3月1日、日本は同じ沖縄で韓国を78-72で下して桶谷ジャパンの初勝利を挙げました。桶谷大ヘッドコーチはその後も指揮を続け、Window4の指揮官として8月の韓国戦2連勝、サウジアラビア戦、カタール戦を戦っています。8月のサウジ・カタール戦の登録メンバーには、この試合で14得点の西田優大と富永啓生、そして渡邊雄太と馬場雄大が名を連ねました。八村塁と河村勇輝が合流した今の代表の土台に、この沖縄の敗戦があります。
みんなに聞きたい
桶谷ジャパンの初陣、あなたが一番声が出たプレーはどれですか。渡邊雄太の開幕ダンク、西田優大のドライブ、それとも富永啓生のカウントショット。ビッグマンのファウルトラブルにどう対処すべきだったかも、コメントで聞かせてください。
あなたはどう見ますか? コメント欄であなたの声を聞かせてください。









