この記事は運営者が試合を見ながら書いた観戦メモをもとにした、個人の観戦記です。日本代表を応援する立場で書いており、中立の報道記事とは筆致が異なります。スコアとプレーは観戦メモと公式記録の範囲で書いています。スタッツは一部個人記録のため差異があるかの性があります。分かり次第修正します。
結果: 95-66。昨日より点差を広げて連勝
SoftBank CUP 2026、バスケ男子日本代表は有明アリーナで韓国代表に95-66で勝った。昨日の88-68に続く連勝で、W杯アジア予選Window4前の強化試合を2連勝で締めた。 今日は八村塁がコンディション調整で出ない試合。西田優大と富永啓生もコンディション不良で欠場、渡邊雄太も両日ともプレーなしだった。正直に言えば「昨日の続きをもう一度」という気持ちも半分あった。でも試合前に書いたとおり、八村がいない日本がどこまでやれるのかを見たい気持ちのほうが勝っていた。答えは95-66である。しかも中身は、点差以上に痛快だった。 JBA公式が試合後に書いた一文がすべてを要約している。「4人のポイントガードがゲームを支配!」——河村勇輝24点、佐々木隆成17点、富樫勇樹12点、齋藤拓実10点。PG4人で63点。八村の穴は、1人のエースではなく司令塔の集団で埋まった。
1Q: 佐々木のスタートダッシュと、リバウンドの意識
スターターは河村・佐々木・ホーキンソン・吉井・馬場。立ち上がりから形が良かった。ホーキンソンのポストプレーから佐々木へパスアウトしてきれいな3P。吉井が0度から3Pを沈めて一気に8点。河村は1対1のドライブアタックで攻撃を組み立てる。ファストブレイクから吉井がレイアップでエンドワン、続いて馬場もファストブレイクでエンドワン。勢い十分の13-10。 6分台からはオフェンスリバウンド祭りだった。ホーキンソンとジェイコブス晶が連続でリバウンドをもぎ取り、4回くらい韓国にボールを渡さない時間帯を作る。1分くらいずっと日本のターン!佐々木はルーズボールに泥臭く飛び込む。今日はチーム全体のリバウンドの意識が明らかに高かった(最終的にリバウンドはオフェンス11本を含む42本)。 残り3分10秒、少し停滞しかけたところで齋藤の長距離プッシュパス(下手投げのロングパス)が飛び、ジェイコブスがよく走って合わせた。この一本で流れが戻る。そして1Qの締めは河村。トップから引きつけて0度の高島紳司にパスして3Pをアシストすると、次は自分でドリブルから流れるような3P。ドライブ主体から外に切り替えてDFを翻弄し、連続得点でラストプレーを飾って26-16。昨日は控えめだった齋藤と佐々木が最初から見えているのが嬉しい。
2Q: 河村がファンタジスタすぎる
2Qは河村の見本市だった。力強いドライブからレイアップでエンドワン。ドライブアタックでペイントエリアからバックビハインドパスでトップのホーキンソンへ——よくそんなことができるなというファンタジスタぶりで、DFが2人来てもびくともしない。 ひとつ痛恨だったのは馬場のアンスポーツマンライクファウル。3Pを本気でブロックに行った結果、飛び蹴りのような形になってしまった。ベンチの八村が思わず「退場」のジェスチャーをして笑いを誘っていたが、本人は申し訳ない気持ちでいっぱいだったはずだ。悪意のあるプレーではない。リプレイでは完全にファルコンキックだった。相手先週のことを思えば笑ってはいけないがポスターファウル。 ここから富樫が暴れ出して3Pを連続で成功。ホーキンソンがベンチに下がる時間帯——昨日からの課題だ——は少し韓国のオフェンスに乱されたが、佐々木がプルアップからの3Pにファウルをもらって4点プレーで突き放す。ジェイコブスはこのQもリバウンドで存在感を出してくれて頼もしい。ラスト1分で河村とホーキンソンを戻して前半の締め。最後は河村のタフショットは外れたものの、最後の最後までDFで韓国を抑え切って48-32で折り返した。
3Q: 韓国の反撃、そして河村劇場
3Qの立ち上がりはホーキンソンからゴール下の馬場へのキラーパスで先行。同じようなプレーを速攻でやり返されたが、日本の脚は止まらない。佐々木の突破から吉井のバックシュート、河村のディープスリー。パスワークが素晴らしく、流れは日本のままだった。 だが5分台から韓国のシュートが当たり始める。ユ・ギサンの3Pが入ったところで日本がタイムアウト(残り5分25秒)。韓国のインサイドにも押されて57-46まで詰められた。河村のドライブが起点の攻撃をどう立て直すか——と思っていたら、立て直したのも河村本人だった。 ここから河村劇場である。ジャンプシュートを外すと自分でリバウンドして決め切る。ドライブアタックのワンマン速攻でDFを置き去りにして連続得点。緩急の付け方が半端ではない。パスのイメージを植え付けているからDFは完全に後手に回る。完璧なシュートフェイクからのパスには味方のジェイコブスまで騙されて取りそこなった。あれは全員騙される。少し前には吉井へのパスで2秒くらい時間が止まって全員が動けない瞬間すらあった。魔術師感MAXの異次元のパスを連発する。あのプレッシャーの中で吉井もよく打ったなと褒めたい。 Qの締めはシェーファー アヴィ幸樹の3Pブザービーター。齋藤の連続得点もあってPG陣の動きは衰えず、70-54で最終Qへ。そしてその裏には、ずっとジェイコブスのリバウンドがあると思っている。
4Q: 佐々木劇場4/4、そして25-12で締める
今度は佐々木劇場が始まった。3Pを連続で沈めて、この日4本打って4本成功というとんでもない成功率。さらにスティールからワンマン速攻のレイアップも決めて、2分足らずで1人で8得点。78-56。 河村劇場も止まらない。ビハインドドリブルからのステップバック3Pという、レベルの高すぎるプレーをねじ込む。韓国も食い下がるが、もう個人技でしか返せない。富樫・河村・ジェイコブスのファストブレイクでは、河村のフェイクにまたもジェイコブスが騙された。シュートに行くと思うよ、あれは。ジェイコブスは特にリバウンド意識が合ったからパスに対応できなかったのかもしれない。リバウンド意識とシュートの両立は難しい! 狩野富成が入ってリバウンドで奮闘し、残り2分30秒で川島悠翔も出場。若い力のラストプレーに期待——と思ったら、4Qで暴れるベテラン富樫がさらに3Pを連発して突き放す。若手を育てるとはどこへ行ったのか(フリーにする韓国が悪いのだが)。最後は若手のインサイドを試すかと思いきや、ベテランPG陣(齋藤、富樫)が外から打ちまくり決めまくる展開。代表は選手同士の選考アピールの場でもあるから、こうなるのも分かる。4Qのスコアは25-12。最後は韓国の心が折れたと思うくらい、気持ちのいい勝ち方だった。
今日のヒーロー: 河村勇輝
24得点(3P4/8・FT6/7)、6リバウンド、3アシスト。数字も文句なしだが、今日の河村は数字で語る選手ではなかった。苦しくなった3Qに自分のミスを自分で拾って立て直し、ワンマン速攻で突き放し、味方まで騙すパスでコートの時間を止めた。ドライブと外のシュートとパス、3つの脅威が全部本物だから、DFはどれにも張れない。八村のいないコートで、ゲームそのものを支配していた。
光った選手たち
- 佐々木隆成: 17得点、3P4/4。1Qの泥臭いルーズボールから4Qの独走劇まで、始まりと締めの両方を作った。スティールからのワンマン速攻も含めて、この2連戦最大の発見だと思う。こういう泥臭いところと合わせて精度の高い3Pは本当に脅威。
- ジェイコブス晶: 4得点ながら11リバウンド(オフェンス5本)。長い時間コートに立ち続けた。PG陣が大暴れできたのは、この人がボールを持ち続けさせてくれたからだと思っている。フォーダム大学の22歳、頼もしすぎる
- 富樫勇樹: 出場10分48秒で3P4/6の12得点。4Qの連発は完全にベテランの意地
- 齋藤拓実: 10得点4アシスト。1Qの長距離プッシュパスのセンスは全PGの中でも別格の武器
- ホーキンソン: 2得点だが8リバウンド5アシスト2ブロック。得点ゼロ域でゲームを支える日もあるのがこの人のすごさ
- シェーファー アヴィ幸樹: 3Q終了間際の3Pブザービーターで流れを渡さなかった
- 高島紳司: 河村のアシストから0度の3P。11分56秒で3得点
課題: 若手の時間と、ホーキンソン不在の時間帯
不満がないわけではない。川島悠翔と狩野富成の出場時間は、どちらも短かった。狩野は短い時間でもリバウンドで奮闘してくれたが、もっと長く見たかった。ベテランPG陣のアピール合戦は見ていて最高に楽しかったけれど、この2人の実戦経験も次につながる財産のはずだ。 もう1つは昨日から続く宿題で、ホーキンソンがベンチに下がる時間帯の守備。今日も2Qにそこを突かれかけた。Window4では相手がもっと強い。
韓国について
ヨ・ジュンソクが17得点11リバウンドと気を吐いた。ユ・ギサンの3P(4/9)も3Qの反撃の火種になった。そして昨日まとめたエディ・ダニエルは2得点に終わったが、長くコートに立ち続けて7リバウンド2スティール。得点が止まっても使われ続ける19歳が、韓国の次の骨格なのだと思う。
次戦: いよいよW杯アジア予選Window4
強化試合はこれで終わり。月末からはW杯アジア予選Window4、勝敗が記録に残る試合が始まる。八村と河村が揃い、そこに今日63点を取ったPG陣とジェイコブスのリバウンドが加わる——そう考えると、この2連戦は「八村がいる日本」と「いない日本」の両方を確認できた、意味のある2日間だった。連勝の勢いのまま本番へ。 出典: スコア・スタッツはJBA公式ボックススコアによる。場面の描写は運営者の観戦メモが正本。
八村塁はなぜ出なかった?
JBAの発表によれば「コンディション調整のため」です。西田優大選手と富永啓生選手は「コンディション不良のため」、渡邊雄太選手も両日ともプレーしませんでした。試合前17:55からはアリーナ内でシューティングが公開されました。詳しくは発表時の反応まとめへ。
次の試合はいつ?
8月末からのFIBAワールドカップ2027アジア地区予選Window4です。今回の2連戦はその前最後の強化試合でした。
PG4人で63点はどういう内訳?
河村勇輝24点・佐々木隆成17点・富樫勇樹12点・齋藤拓実10点です。JBA公式も試合後に「4人のポイントガードがゲームを支配!」と投稿しています。
あなたはどう見ますか? コメント欄であなたの声を聞かせてください。









