【バスケ日本代表】モンゴル戦65-67で惜敗、同点に追いつくも届かず 若いジャパンの収穫と課題

【観戦記】日本代表65-67モンゴル、同点に追いつくも届かず 若いジャパンに残った収穫と課題

この記事は運営者が試合を見ながら書いた観戦メモをもとにした、個人の観戦記です。日本代表を応援する立場で書いており、中立の報道記事とは筆致が異なります。スコアとプレーは観戦メモと公式記録の範囲で書いています。

結果: 65-67。たった2点差だった

日本生命カップ2026佐賀大会の第1戦、バスケ男子日本代表はモンゴル代表に65-67で敗れた。2点差。それも、逆転されたのが残り数秒という終わり方だった。

正直に書く。前半は乗り切れなかった。立ち上がりから押されて、3ポイントは面白いように弾かれて、モンゴルの55番シャラブジャムツに好きなようにやられた。噛み合わない時間が長かったのは事実だ。

それでも、この試合を「若手中心の強化試合で負けた」の一行で片付けるのはもったいない。後半、特に第4クォーター終盤のジャパンは完全に牙を剥いていた。ディフェンスから走って、点差を詰めて、同点まで追いついた。前半のもたつきも、終盤の追い上げも、最後のもつれ方も、全部が若いチームらしい試合だった。勝ち切れなかったのは悔しい。それでも、収穫と課題がここまではっきり出た2点差は、次につながる経験になる。

試合の基本情報はこの通り。

  • 大会: 日本生命カップ2026(佐賀大会)第1戦
  • 日時: 2026年8月9日 13時55分 TIPOFF
  • 会場: SAGAアリーナ
  • 日本のスターター: 小川、山崎、川島、カーク、高島
  • モンゴルのスターター: バトエルデン、オチルバト、ヒシグバータル、サンダグドルジ、シャラブジャムツ

第1クォーター: 出だしから殴られた、それでも1点差で耐えた

先制点を持っていったのはモンゴルだった。しかも打ったのがシャラブジャムツ(55番)。Xで「モンゴリアンマイク」と呼ばれている選手だ。206センチでスリーを沈めてくるうえ、ポイントガードのようにボールを持って起点になる。この一本で「今日は簡単じゃないぞ」と会場の空気が引き締まった。

日本はここでファウルがかさむ。開始4分で6-14。完全にモンゴル主導の立ち上がりだった。

黒川虎徹、代表初出場でいきなり会場を沸かせる

5分が経ったところで空気が変わった。黒川虎徹が交代直後のスリーをねじ込む。代表初出場でこの思い切りの良さ。2本目は外れたが、そんなことはどうでもよかった。

4分32秒で9-16。さらにバックコートでのタフなディフェンスからアウトオブバウンズを誘発して日本ボール。ディフェンスからリズムが出はじめた。

そして黒川は止まらない。2本目のスリーを沈めて3点差まで詰め寄り、カークとのピックアンドロールも決めてみせた。日本の次世代ポイントガードとしての自己紹介としては、満点に近い。

ジャン・ローレンス・ハーパージュニアも鋭いドライブでモンゴルの守備をこじ開けにかかる。狩野とは惜しくも合わなかったが、攻め気は十分だった。

残り30秒でモンゴルがタイムアウト。ラストプレーでは山内がリバウンド争いでファウルを勝ち取り、0.4秒を残してフリースローを得た。若手らしいアグレッシブさが最後まで出た1クォーターだった。

押されはしたが、20-21の1点差で耐えた。この粘りが試合全体のトーンを決めたと思う。

第2クォーター: 黒川からカークへ、このホットラインが効いた

シャラブジャムツは機動力まで厄介だった。ビッグマンらしからぬスピードでコートを駆け抜け、ドライブでペイントアタックまでしてくる。ドライブできる206センチは脅威でしかない。

こちらにもアレックス・カークがいる。ゴール下だけでなくミドルもしっかり沈め、若いチームを支える大黒柱として存在感を見せた。

スリーが入らない。開始3分で2本/12本

ここは厳しかった。2クォーター開始3分の時点でスリーは12本中2本。しかも決まっているのは黒川の2本だけ。フリーで打てているのに入らない。セットは作れているだけに、もったいない時間が続いた。

救いはモンゴルのファウルトラブルで、3分ほどで4個目を犯してくれた。ただ、カークが交代した途端に日本の得点が停滞し、モンゴルのスリーで3分49秒に27-33。カーク不在の時間帯をどうするかという課題がはっきり出た。

ハーパージュニアが起爆剤になる

そこで動いたのがハーパージュニアだった。中から外への展開でスリーを沈め、直後のリバウンドにも積極的に絡んでいく。この流れの変え方が本当に頼もしい。

そして残り2分付近、この試合屈指の場面が来る。黒川の鋭いパスから、カークのスクープショット。カーク本人も少し驚いた表情をしていたのに、それでも決めきるのがさすがだった。あそこに通す黒川も、あれを決めるカークも、どちらもすごい。

黒川からカークの次は、ハーパージュニアからカーク。パスの黒川、ドライブのハーパーという二枚看板がモンゴルの守備をかき乱していく。この形は明確に機能していた。

残り1分を切って35-35の同点。最後に山崎がやられ、ブロックからのファーストブレイクでバスケットカウントのファウルかと思われたが、ノーカウントで難を逃れた。ギリギリの攻防のまま、同点で前半を折り返した。

第3クォーター: 狩野のダンクでアリーナ最高潮、それでも怪物が止まらない

3クォーターの入りはモンゴル。福井ブローウィンズでプレーするヒシグバータルに決められるスタートだった。お返しの場面では山崎とカークの合わせが噛み合わず、痛い空振り。

シャラブジャムツはディフェンスでも厄介で、小川のドリブル速攻すら高さで止めてくる。攻守どちらも一級品だ。じわじわ離されて41-49。

そしてスリーが本当に入らない。3クォーター残り3分48秒の時点で20本中3本(15パーセント)。リバウンドもモンゴルの意識が高く、なかなか拾えなかった。

狩野富成のダンクでアリーナが爆発する

それでも来た。黒川のドリブルアタックのこぼれ球を、狩野富成がダンクで押し込む。あの瞬間のアリーナの熱量は今日いちばんだった。……と思ったら、すぐにダンクを返される。そういう試合だった。

ここからハーパージュニアが黙っていない。タフなスリーを決めて48-53。さらにハーパージュニアのアシストからシェーファーが加点して3点差まで詰め寄る。

いける、と思った瞬間だった。シャラブジャムツが際のプレーでディープスリーを沈める。とんでもない勝負強さで、この一本で6点差に広げられて3クォーターが終わった。50-56。

第4クォーター: ディフェンスから同点へ、そして残り0.3秒

4クォーター、シアトル大学の川島悠翔が動き出した。ゴール下をしっかり決め、ファーストブレイクではダンクも決めてみせる。

しかし、そこに何度でも立ちはだかるのがシャラブジャムツだった。ブロックで止めるだけでなく、その後の速攻をひとりで決めきる。54-60、点差が縮まらない。

それでも日本は食らいついた。小川敦也がスピードを活かしたドリブルアタックで3点プレーを奪い、山内ジャヘル琉人のディフェンスがモンゴルに効きはじめる。流れは確実に日本へ来ようとしていた。ただし、やはりスリーが入らない。

残り5分17秒、川島を残して4人を入れ替える大胆な采配。さらに川島もシェーファーに代えてタイムアウト(残り4分55秒)。吉本アシスタントコーチがどんな絵を描くのかという場面だった。

ハーパージュニアの鬼ディフェンスで空気が変わる

残り3分10秒。ハーパージュニアがバックコートでスティールを決め、そのまま速攻を沈める。さらにブロック、そしてペイントアタックでバスケットカウント。終盤の日本のディフェンス強度が一気に上がり、モンゴルに牙を剥いた。この時間帯のハーパージュニアは完全に試合を動かしていた。

64-64、そして運命のラストプレー

残り1分、64-64の同点。モンゴルがタイムアウトを取る。最後のプレーを作ったのもハーパージュニアで、ディフェンスから誰よりも走ってレイアップを成功させた。

しかしその状況でも即座に切り返してタフショットを決めてくるのがシャラブジャムツだった。再び同点、残り22秒。互いに1ポゼッションのラストプレーとなった。

最後の攻撃。少し時間を残した段階で、ハーパージュニアがドリブルアタックを仕掛ける。この終盤ずっと自分の力で流れを引き寄せてきた男らしい選択だった。

だが、ディフェンスに阻まれてターンオーバー。シュートまで行けなかった。奪われたボールはそのままシャラブジャムツの速攻に変わり、モンゴルが土壇場で逆転する。

日本はヘッドコーチチャレンジを使い、タイムアウトと合わせて最後のプレーを組み立て直した。時計は残り0.3秒。託されたのは黒川。この日、交代直後のスリーでチームに火をつけた男が、最後はディープスリーに賭けた。

決まらなかった。65-67で試合終了。

試合を動かした選手: ジャン・ローレンス・ハーパージュニア

異論はないと思う。攻めて、守って、走って、最後まで試合の中心にい続けた。特に終盤のスティールとブロックからの連続プレーは、完全にこの男が流れを作っていた。ディフェンスで会場を沸かせられる選手は貴重だ。

最後のプレーはターンオーバーになってしまった。それでも、あそこで仕掛けにいったのは、終盤ずっと自分で流れを作ってきた男の延長線上にあるプレーだ。責める気にはなれない。

今日光った選手たち

  • 黒川虎徹: 代表初出場でスリー2本とキラーパス。日本の次世代ポイントガードとして最高のアピールだった
  • アレックス・カーク: ゴール下もミドルも決めきる大黒柱。若手の思い切ったパスも全部おさめる安心感があった
  • 狩野富成: アリーナを最高潮にしたダンク。あの一本で会場の空気が変わった
  • 小川敦也: スピードを活かしたドリブルアタックからの3点プレーで反撃の口火を切った
  • 川島悠翔: 4クォーターにゴール下とダンクで得点。動き出した時間帯の存在感は大きかった
  • 山内ジャヘル琉人: 1クォーターのリバウンド争いから終盤のディフェンスまで、球際の強さで貢献した

明日への課題

  • 3ポイントの確率。3クォーター途中で20本中3本(15パーセント)は苦しい。フリーで打てている本数が多いだけに、ここが入っていれば結果は変わっていた
  • シャラブジャムツへの対応。誰がつくのか、ダブルチームで行くのか。ここの整理が第2戦の鍵になる
  • カーク不在の時間帯の得点力。2クォーターに離された流れは繰り返したくない

モンゴル代表について: 「モンゴリアンマイク」シャラブジャムツが強かった

この選手の話をせずにこの試合は語れない。シャラブジャムツ(55番)は206センチでポイントガードのようにボールを持ち、スリーを沈め、ドライブでペイントを割り、ブロックし、速攻をひとりで決めきった。しかも試合の際で必ず決めてくる。3クォーターのディープスリーも、4クォーター終盤のタフショットも、最後の逆転速攻もすべてこの選手だった。

試合後のXでは、この55番が「モンゴリアンマイク」の愛称で呼ばれているのを何度も見かけた。Bリーグのファンからは所属クラブ名を挙げて「うちに来てほしい」という声が並び、日本のバスケファンにも一気に名前が知られた一日だったと思う。

ほかにも福井ブローウィンズでプレーするヒシグバータルのインサイド、そしてチーム全体のリバウンドへの意識の高さが印象的だった。モンゴル代表は強い。

第2戦へ

たった2点差。追いついたところまでは持っていけた。

前半は乗り切れなかった。それでも折れずに、後半、特に4クォーター終盤は完全に牙を剥いた。ディフェンスで沸かせて、走って、同点まで追いついた。あの時間帯を作れたことは、この若いチームにとって確実に収穫だ。そして、そこから勝ち切るために何が足りないのかも、はっきり見えた。

第2戦は8月10日、同じくSAGAアリーナ。シュートの精度を整えて、シャラブジャムツ対策も詰めて、今度こそ勝ちきってほしい。

試合の詳細記録は大会公式のBOX SCOREで確認できます。

この試合は何の大会ですか?

日本生命カップ2026(佐賀大会)という強化試合です。FIBAワールドカップ2027アジア地区予選の順位には関係しません。8月24日から始まるWindow4は別のメンバーで臨むため、この佐賀大会は若手を試す場という位置づけです。

第2戦はいつですか?

翌8月10日に、同じSAGAアリーナでモンゴル代表との第2戦が行われます。

あなたはどう見ますか? コメント欄であなたの声を聞かせてください

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